コラム

社会保険における賞与の扱い

健康保険・厚生年金保険における報酬は次表のように分類され、賞与に該当する場合は「被保険者賞与支払届」を提出して、通常の報酬とは別に社会保険料を納付する必要があります。

業務上の区分 定義(概略) 取扱い
報酬等 ①通常の報酬 賃金等で
毎月支給されるもの
定時決定(算定基礎届)において算定
②賞与 通常の報酬以外であり、
年3回以下の支給のもの
賞与支払届により算定
③賞与に係る報酬 通常の報酬以外であり、
年4回以上支給されるもの
定時決定等において通常の報酬に加算
(7月1日以前の1年間の支給額を
12で除して、通常の報酬に上乗せ)

1.「被保険者賞与支払届」の対象となるもの(賞与)(例示)

年末年始手当

年3回以下の支給であるため賞与に該当(休日労働割増賃金などの性質の場合は給与扱い)

※年3回以下支給の特別手当、寒冷地手当、処遇改善加算一時金なども賞与に該当
※知人を法人に紹介したときに支給する職員紹介手当、医療機関がクラスター発生時に支給する手当なども、支給回数が年3回以下ならば原則として賞与に該当

大入袋(1万円。規定なし。賃金台帳記載あり)

臨時的支給でなく、支給事由が業績達成や営業成績に連動しているものであれば恩恵的ではないとされ、賞与に該当(支給事由の発生、支給条件、支給額等が不確定で、経常的に受けるものではないものは報酬等でないとされるが限定的な取扱い)

2.「被保険者賞与支払届」の対象とならないもの

次のいずれかに該当する場合は「賞与に係る報酬」とされ、賞与支払届の対象外

  1. 給与規程等で年間を通じ4回以上の支給と客観的に定められているとき。

    ※「支給することができる」「勤務成績上位の者のみに支給する」などの支給事由で、必ずしも支給が想定されない場合は賞与扱い

  2. 賞与の支給が7月1日以前の1年間を通じ4回以上行われているとき。

≪賞与支給回数の算定方法≫

  1. 名称は異なっても同一性質を有すると認められるもの毎に判別する。
  2. 例外的に賞与が分割支給された場合は、分割分をまとめて1回として算定する。
  3. 当該年に限り支給されたことが明らかな賞与は、支給回数に算入しない。

報酬等に該当しないものは賞与支払届の対象外(例示)

  1. 恩恵的に支給するもの(見舞金、結婚祝い金、餞別金)
  2. 永年勤続表彰金(勤続年数のみを要件としており、表彰の間隔が概ね5年以上であるなど、 永年勤続表彰以外の性質が無く、お祝い金の範囲を超えていないもの)

※類似事案であっても、実態により判断が異なることもありますのでご注意ください。

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